Leedsに“芝刈りヤギ”登場|Roundhay近くのAsket Hillで草地を守る理由
Leedsの緑地に、ちょっと変わった「芝刈り担当」がやってきました。芝刈り機ではなく、なんとヤギです🐐
Leeds City Councilは2026年10月6日、Roundhay Park近くのAsket Hillで、ヤギを使って草地を管理する試験的な取り組みを発表しました。
かわいらしいニュースですが、目的はヤギを見せることではありません。失われつつある野草の生育環境と、そこに集まる昆虫や鳥などを守るための自然保護活動です。
なぜヤギを選んだのか、Asket Hillがどんな場所なのか、散歩の際の注意点とともに紹介します。
ヤギがやってきたAsket Hillはどこ?
今回ヤギが導入されたのは、Leeds東部のAsket Hill。Roundhay Parkの園内ではなく、その南側に位置するWyke Beck Valleyの自然環境に含まれる草地です。
Leeds City Councilによると、Wykebeck Woods and Asket Hillは地域の自然保護区(Local Nature Reserve)の一部で、丘の斜面には野草が育つ草地、下には古い広葉樹林が残っています。
Wyke Beck Valleyには、草地や森林、生け垣がつながる「野生動物の通り道」の役割もあります。普段は公園だけに目が向きがちですが、その外側にも守るべき自然が広がっているのですね。
なぜ芝刈り機ではなくヤギなの?
Asket Hillが抱える課題の一つは、急で凹凸の多い地形です。機械を使って安全かつ継続的に草や低木を管理することが難しいため、ヤギの出番となりました。
この方法はconservation grazing(自然保護を目的とした放牧)と呼ばれます。動物が草や低木を食べることを利用し、さまざまな植物が育つ草地の状態を維持する考え方です。
人がすべての草を均一に刈るのではなく、植物の種類や成長のしかたに合わせて自然に近い管理をする。ヤギはそんな重要な役目を担っています。

Royal Golden Guernseyとはどんなヤギ?
今回登場したのは、Royal Golden Guernseyという珍しい品種のヤギです。Castle Howardを拠点とするMossy Oaksが提供しました。
Golden Guernsey系のヤギは、金色から淡い茶色の毛が特徴。Councilによると、今回のRoyal Golden Guernseyは厳しい屋外環境でも暮らせるため、自然保護のための放牧に適しているそうです。
ただ見た目がかわいいから選ばれたわけではなく、Asket Hillの地形や植生に合った働き手として選ばれたのです。
Asket HillのLowland Meadowが貴重な理由
Asket Hillの大切な特徴は、species-rich lowland meadow(多様な植物が育つ低地草原)があることです。これは見た目には普通の草原でも、貴重な野草や昆虫の生息地になっている環境です。
花が咲けば蜜や花粉を求めて昆虫が集まり、昆虫は鳥やコウモリなどの餌になります。つまり草原は、さまざまな生き物の暮らしを支える土台なのです。
Leeds City Councilは、こうした植物の種類が豊かな草地が過去50年間で97%減少していると紹介しています。だからこそ、Asket Hillに残る環境を守ることには意味があります。

shrubsやbramblesを食べることで何が変わる?
Councilがヤギに期待しているのは、shrubs(低木)やbrambles(ブラックベリーなど、とげのあるキイチゴ類の茂み)を食べて、広がりすぎるのを抑えることです。
草地を何もせずに放置すると、低木や茂みが増えて、背の低い野草に日光が届きにくくなることがあります。その結果、草原の植物が減り、徐々に別の環境へ変化してしまう場合があります。
ヤギが低木を食べることで、野草が再び育つための光と空間を確保できると期待されています。目的は単に草を短くすることではなく、さまざまな植物が共存できる状態を保つことです。
Roundhay Parkとの位置関係
Roundhay Parkの名前がニュースで出てくるため、園内にヤギがいると思うかもしれません。しかし、今回の場所はRoundhay Parkそのものではなく、南側のAsket Hillです。
Wyke BeckはRoundhay ParkのWaterloo Lakeを水源とし、Gipton、Seacroft、Killingbeck、Halton方面へと続きます。周囲の草原や森林が野生動物の生息環境をつないでいます。
Roundhay Parkの見どころや季節の散歩コースは、Nazufi Blogの関連記事も参考にしてください。

ヤギを見に行くときの注意点
今回の試験的な放牧は、Councilの2026年10月6日の発表では11月12日まで続く予定です。翌年以降もヤギを戻す計画があるとされています。
ただし、ヤギは観光用のふれあい動物ではありません。Councilは訪問者に対して、触らないこと、餌を与えないこと、周辺では犬をリードにつないでおくことを呼びかけています。
Wykebeck Woods and Asket Hillの自然保護区には、Wetherby RoadとEasterly Road側に入口のある舗装された歩道があります。一方、草地は傾斜が急で地面にも凹凸があるため、歩道から外れず、雨天後は足元に気を付けたいところです。
なお、Councilはヤギの放牧地が常時見学できることや、必ずヤギに会えることまでは案内していません。現地の柵や標識を優先し、離れた場所から静かに見守ってください。
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Leedsが目指すnature positive cityとは?
Leeds City Councilは、英国で最初のnature positive cityを目指す方針を掲げています。これは自然の減少を抑えるだけでなく、生息環境の回復や生物多様性の向上を目指す考え方です。
Asket Hillでの取り組みは小規模ですが、街の中に残る貴重な自然をどう管理するかを考える具体例です。大型の機械を入れるのではなく、地域に合う方法を選び、環境の回復につなげようとしています。
Wyke Beck Valleyでは、洪水リスクの軽減や歩道の改善、生物多様性を高めるための事業も紹介されています。自然環境の保護は、住民の暮らしやすさともつながっています。
まとめ|ヤギが守るLeedsの小さな自然
「リーズに芝刈りヤギが登場」というニュースは、思わず笑顔になる話題ですが、背景には大切な自然保護の目的があります。
Asket Hillに残る野草の豊かな草地を、急な地形にも対応できるヤギの放牧で管理する。低木や茂みが増えすぎるのを抑え、昆虫や鳥などの暮らしを支える自然環境を守ろうとしているのです。
Roundhay Parkを訪れる機会があれば、その南側にも緑地や自然保護区がつながっていることを思い出してみてください。いつものLeedsの景色も、少し違って見えるかもしれません。
※掲載しているヤギの写真はイメージです。




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