LeedsでCouncil Housingが1,000戸突破|イギリスの公営住宅はどういう仕組み?
イギリスの公営住宅にあたるCouncil Housing(カウンシル・ハウジング)。Leedsでは、その供給が一つの節目を迎えました。Leeds City Councilは2026年9月、Council Housing Growth Programmeを通じて建設・取得した住宅が1,116戸に達したと発表しました。
イギリスの公営住宅制度を理解するうえで中心となるCouncil Housingは、日本の「公営住宅」に近い存在です。英国のCouncil Housingは自治体が所有する住宅を、住宅を必要とする人へ比較的低い家賃で貸し出す仕組みです。ただし、申し込めばすぐ住めるわけではありません。この記事ではLeedsのニュースを入口に、その仕組みを整理します。
LeedsのCouncil Housingが1,000戸を突破
Leeds City Councilによると、Council Housing Growth Programme(CHGP)で建設または取得されたCouncil Housingは1,116戸に達しました。このうち200戸以上は2026年3月末までの12か月間に供給されています。
Housing AssociationなどのRegistered ProviderやSection 106を通じた住宅も含めると、2025/26年度にLeedsで供給されたAffordable Homesは943戸。過去30年間で最多です。
Councilがすべてを一から建設しているわけではありません。CHGPの供給住宅の43%がCouncilによる新築で、残りは民間デベロッパーや所有者からの取得です。2026〜2031年の第2期にはさらに£200mが確保されています。

イギリスの公営住宅「Council Housing」とは?
Council HousingはLocal Councilが所有・管理するSocial Housingの一種です。日本語では「公営住宅」と訳されることが多く、民間賃貸よりも手頃な家賃で、住宅を必要としている人へ住まいを提供する役割があります。
英国のAffordable HousingはCouncil Housingだけを意味しません。Affordable Rent、Social Rent、Housing Associationが提供する住宅、低価格で住宅所有を支援する仕組みなどを含む広い概念です。
Affordable Rentは地域の市場家賃より少なくとも20%低い水準。Social Rentはさらに低く、地域所得、住宅規模、住宅価値などを使った算定式で設定されます。
誰でも申し込める?
Council Housingの申込み条件はCouncilごとに異なります。Leedsでは16歳以上から申請できますが、国籍、Immigration Status、海外居住歴などによってEligibilityが変わる場合があります。
Leedsでは原則としてLeedsに2年以上居住していること、または仕事や近親者などを通じた強いLocal Connectionがあることも資格要件に含まれます。例外規定もあるため、個別ケースでは最新のLettings Policy確認が必要です。
イギリスの公営住宅はどうやって決まる?
まずLeeds Homesに登録し、申請が承認されるとMembership Numberが発行されます。その後、CouncilやHousing Associationが掲載する対象物件にbid(入居希望を出す)ことができます。ここでいうbidは、お金を競り上げる「入札」ではありません。
英国ではPointsまたはBanding systemによってHousing Needを評価する仕組みが一般的です。Homelessの状態、過密住宅、現在の住宅によって悪化するMedical Conditionなどが優先度に影響します。
家賃はどのくらい安い?
Council Housingだから一律で市場家賃の何%、と決まっているわけではありません。Social Rentは地域所得や住宅規模・価値などを反映した算定式で決まり、Affordable Rentは市場家賃より少なくとも20%低い水準です。
今回CouncilがMorwick Green、Laneside Farm、Wellington Mountで取得した住宅は、Homes Englandの支援によりSocial Rentとして提供できるとされています。
Housing Associationとの違い
Council HousingはLocal Councilが所有・管理する住宅です。一方、Housing AssociationはCouncilとは別のRegistered ProviderなどがSocial Housingを所有・管理します。
Leeds HomesではCouncil所有物件だけでなくHousing Associationの物件も掲載されます。住宅を探す際はCouncil HousingだけでなくSocial Housing全体の選択肢として見ると理解しやすいでしょう。
Leedsではどれくらい待つ?
今回の「1,000戸突破」を見るうえで重要なのが需要の大きさです。Leeds Homes Registerには27,000世帯以上が登録され、そのうち5,000世帯以上が最優先のBand Aです。
Leeds City Councilは、Band Aでも多くの申請者が住宅を提示されるまで2年以上待っていると案内しています。つまり1,116戸という実績は大きな節目ですが、住宅不足が解消したわけではありません。登録しても住宅を確保できる保証はありません。
Council Housingは買える?
EnglandにはRight to Buyという制度があり、条件を満たすSecure Council Tenantなどは、住んでいるCouncil Housingを市場価格より低い価格で購入できる場合があります。
2026年時点の政府案内では、原則としてPublic Sector Tenantとして合計3年以上の期間があることなど複数の条件があります。住宅の種類や債務・法的状況などによって対象外になる場合もあります。
なぜLeedsはCouncil Housingを増やしている?
背景にあるのはSocial Housingへの強い需要と住宅費の問題です。Leeds City CouncilはCouncil Housingの供給を増やすだけでなく、Registered Providerや民間開発とも組み合わせてAffordable Housing全体を増やす方針です。
Council Plan 2026–2030でもAffordable Housingを大規模に供給できる環境づくり、Council Homesの継続的な整備、Homelessness対策などが掲げられています。今回の1,000戸突破は、その長期的な住宅政策の途中経過と見ることができます。
まとめ|1,000戸突破でも需要は依然大きい
LeedsのCouncil Housing Growth Programmeは1,116戸という節目を超えました。Affordable Homes全体でも2025/26年度は943戸と、過去30年で最多の供給です。
一方、Leeds Homes Registerには27,000世帯以上が登録されています。Council Housingは英国の住宅セーフティネットを支える重要な仕組みですが、需要に対して供給が十分とは言えない状況が続いています。
Leedsで暮らしているとCouncil HouseやHousing Associationという言葉を日常的に目にします。制度の仕組みを知ると、英国の住宅問題や地域政策のニュースも少し違って見えてくるかもしれません。




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