top of page

Leeds中心部の空き店舗率が過去最低に|地方都市のHigh Streetは復活している?

9月28日
読了時間: 5分

イギリスの地方都市を歩いていると、閉まったままの店舗や「TO LET」の看板を見かけることがあります。オンラインショッピングの普及やコロナ禍を経て、「High Streetは衰退している」というイメージを持つ人も少なくありません。


ところが2026年9月、Leeds中心部ではそれとは少し違う数字が発表されました。主要な小売エリアの空き店舗率が8.8%となり、2019年の集計開始以来で最も低い水準になったのです。全国平均とされる約12.4%も下回っています。


では、Leedsの街なかでは何が起きているのでしょうか。そして、この動きを「イギリスのHigh Street復活」と呼んでよいのでしょうか。Leedsの最新データから考えてみます。






Leeds中心部の空き店舗率が8.8%に

Leeds City Councilが2026年9月21日に公表したデータによると、Leeds中心部の主要小売エリアの空き店舗率は8.8%。データの集計が始まった2019年以降で最も低い水準です。


同発表では、全国の平均的な空き店舗率は約12.4%とされています。単純比較には地域や調査範囲の違いに注意が必要ですが、Leeds中心部が現在かなり低い空室率を示していることは分かります。


「地方都市の中心街は空き店舗が増えている」という一方向のイメージだけでは、現在のLeedsを説明しにくくなっています。





人通りも増えているLeeds中心部

空き店舗率だけでなく、街を歩く人の数にも変化が表れています。2026年のLeeds中心部では、Briggate、The Headrow、Albion Streetなど8地点のカメラで計測された歩行者数が、発表時点で45,291,505に達しました。週平均では約133万人です。


Leeds中心部Victoria Quarterのショッピングエリア


なかでも主要ショッピングストリートのBriggateは、年初から8,502,173、週平均約25万人。中心部全体の人通りも前年同期を継続的に上回っているとされています。


もちろん、通行量が増えたからといって全店舗の売上が伸びているとは限りません。ただ、店舗を構える側にとって「街に人が来ている」ことは重要な土台です。




なぜLeedsは比較的強いのか

理由を一つに絞ることはできません。ただ、Leeds中心部にはHigh Street単体ではなく、複数の目的を一か所に集められる強みがあります。


Trinity LeedsやVictoria Leedsなどの商業施設、Kirkgate Market、飲食店、バー、文化施設、イベント、オフィス、大学や住宅。買い物だけを目的にしなくても、中心部へ行く理由が複数あります。


Leeds Victoria Quarterを歩く買い物客と店舗


LeedsBIDも、中心部へのブランド需要、飲食・ナイトタイム経済、住宅や学生向け住居の増加などを、街の継続的な変化として挙げています。さらにNew Briggateでは、歴史的建築を生かした再生事業なども進められてきました。


つまり、昔ながらの「店が並ぶ通りを復活させる」というより、中心部そのものを「過ごす場所」として再構成している、と見る方が実態に近そうです。





High Streetは本当に復活している?

ここは少し慎重に見る必要があります。Leedsの数字が良いからといって、英国各地のHigh Streetが一斉に復活しているわけではありません。地域によって所得、人口、交通、商業施設の構成、賃料などの条件は大きく異なります。


一方で、英国全体でも改善を示すデータはあります。Knight Frankは、High Streetの空室率が2026年第1四半期に13.2%まで低下し、コロナ禍以降で最も低い水準になったとしています。またCBREも2026年第2四半期について、High Street、retail park、shopping centreの各分野で空室率が低下したと報告しています。


したがって、「High Streetが完全復活した」と結論づけるより、長い調整を経て物理店舗への投資や出店が戻り始め、その中でもLeeds中心部は比較的強い動きを見せている、と捉えるのがよさそうです。





これからのHigh Streetは「買い物だけの場所」ではない

英国のHigh Streetで起きている変化を見ると、重要なのは「昔のHigh Streetに戻ること」ではないのかもしれません。


Local Government Associationも、中心街では非食品小売の比率が低下する一方、飲食、サービス、レジャーなどの用途が広がってきたと整理しています。オンラインで商品を買える時代だからこそ、街へ出る理由は買い物以外にも必要になります。


食事をする。友人と会う。イベントを見る。マーケットを歩く。歴史的なアーケードを楽しむ。そして、その途中で店にも立ち寄る。


Leeds中心部の現在の姿は、High Streetの「復活」というより、役割そのものが変化している例として見ると面白いのではないでしょうか。





まとめ|Leedsから見える地方都市のHigh Street

Leeds中心部の空き店舗率は2026年に8.8%まで低下し、2019年以降で最低となりました。人通りも前年を上回っており、少なくともLeedsの中心街には明るい材料が増えています。


ただし、これをそのまま英国全体のHigh Street復活と考えるのは早いでしょう。全国では地域差が大きく、店舗の種類や街の使われ方そのものも変化しています。


それでも、Leedsの例から見えてくるのは、地方都市の中心部は「買い物をする場所」から「時間を過ごす場所」へ変わることで、新しい形の活気を取り戻せる可能性があるということです。


数年後にBriggateを歩いたとき、今よりさらに店が増えているのか。それとも飲食やサービス、文化施設が増えているのか。LeedsのHigh Streetがどんな形に変わっていくのか、今後も追っていきたいと思います。

 
 
 

コメント


bottom of page